イインジャー
By Blue - μ
第5回
そのあいだに、『グリーン』はどうなったのだろう??
さあ…それは、わからなかった。(ぉぃ!!!!)
たぶん、生きていることと…、思いますが????
まあ…その話は、さておき…。
(話しふっといてそれかい。)
数日後、禿頭の大河原院長が戻ってきた。
(禿頭は、つけんでいいいんじゃーーー。
と、いわれそうである。)
が…傍らにいたのは、『グリーン』ではなく、
どことなく、一文字○人(仮面○イダー2号)似の、
男であった。
「ずいぶんと、またせたようじゃな…。
こいつが『ブルー』じゃ…。」
これで、再び5人そろったのう…。ほっほっほっ…。」
怪しい声が、どこまでも響き渡った。
「ほっほっほっ…『グリーン』を、
別のやつから脳移植しようかと、
思ったんじゃが…あまりにも大変そうじゃったから、
別のやつを改造してやったわい…。
どうしようかと、思っていたら、
身近にいいやつがおったからのぅ。
よくみると、こいつも、
ヒーローの顔しとったもんじゃて…。」
ん??そういえば、親衛隊の男が一人いない??
いつも、禿頭の大河原院長の横に、
ぴたっとへばりついていた男が、
一人いなくなっている。
そして、サングラスかけていないから、
気がつかなかったが、
よくよくみると、一文字○人似の男は、
背格好がいなくなった男とそっくりなのである。
まっまさか…仲間だった男まで、改造してしまうのか。
そしてそのことに、誰も意義申し立てしないのか??
この親衛隊の男たちは、
仲間の改造に、動じようともしていない。
身も心も、この大河原院長にささげているのか??
いや、こいつらだって、
きっと、あのヒーロー洗脳ヘッドホンで、
洗脳されているに、ちがいなかろう…。
だから、黙っているというのか?
ヒーロー協会の認可を得るため、
無理やり男だったものを女に性転換させたり、
服従させるためにリモコンであやつったり、
洗脳したりというのは、
いうまでもなく、完全に違法である。
ヒーロー関連の法律では、
「ヒーローを肉体改造するときは、正常な意識のもと、
本人の同意を必要とする。」とあるのだ。
これに違反すると、認定を剥奪されて、
援助金の没収・返還、さらに最悪の場合、
「悪の組織認定」もありうるのだ。
悪の組織に認定されたら、
本来なら、他のヒーローに攻撃され、
あるいは殺されても、
文句一ついえなくなるのである。
モモは十分に証拠を握った。
…しかし…ヒーロー協会に逃げ込まないで、
戦うことを決意している。なぜか。
それは、現在ヒーロー協会に申請している団体が、
ここしかいないからである。
(なんてこったい。)
他のヒーローが、いないのである。
へたしたら、逃げたって、追いかけられ、
やっつけられる可能性が十分あったからだ。
『グリーン』が捕まって、
(あるいは、もはや抹殺されたか??)
菊太郎とモモVS『レッド』『ブラック』そして、
どう見ても、敵である『ブルー』と戦うことはできない。
勝てる相手とはとても思えなかった。
「キーちゃん…いや、『イエロー』ちゃんっ。
こっちへおいでーーーー。」
菊太郎は、禿頭の大河原院長にすりすりされた。
とても気持ちが悪かった。
(こっこのやろう…)と思ったが、
モモが首を横に振っている。
おまけに…、
「ムッ…(わたしのほうが、絶対いろっぽいのに…)。」
という、
モモからの無意識な『嫉妬光線』は、もっと怖かった。
しかたなく、「あーー…総統閣下…うれしいですー。」
と…かわいい声で返事するしかなかった。
とても、不幸な?菊太郎であった。
このまま、この大河原院長をやっつけようか…。
しかし、相手のことがよくわからないうちは、
とても危険である。
「キーちゃん…君はかわいいねぇ…。
やっぱり、看護婦や他の患者さん改造するより、
うんとかわいくなったわい…うん。
わしの目に狂いはなかったわい…ほっほっほっほ。」
(ちなみに、看護婦さんとは言わず、
今は看護師さんといいますが、
院長は古い人です。すみませんが、
我慢してください。)
Σ( ̄口 ̄;)え??
菊太郎はショックだった。
男4人では申請が通らなかったから、
そして、普通の女性じゃ、
『条件』にあうものが、いなかったから、
しかたなく、
女に性転換改造されたものと思っていたのに。
もしかしたら、最初から俺を狙っていたのでは??
かわいい??わしの目に狂いはなかった??
どの女性よりも菊太郎がいいのか??
ということは、TS好きとかいう、
そういう部類の人なのか??
菊太郎はなんか気分が悪くなった。
(ダメダメ…もっと愛想よくしなきゃ…。)
モモがいっそう首を横にふった。
「さーーて、5人そろったところで、
敵と戦ってもらわねばのう…。
じつはのぅ。敵とは隣の5丁目に住んでいる、
悪の組織『第794代ショッカー』じゃ。
滅んでも滅んでも、ショッカーという名は、
悪のあこがれらしくてのう…。
勝手にいろんなやつが名乗っているだけなんじゃがの?
なに、形だけ戦ってくれればええ。
実はあいつらに裏金援助しているのは、
わしだからのぅ…ほっほっほっ
ヒーロー協会からの資金援助をもらうために、
作った組織なんじゃからの。ほっほっほっ。
そのうち、きちんとした場所で、
戦わせてあげるからのぅ…。」
なんという悪なんだ。この禿頭は!!!
敵というのは、実は自分が金儲けのために作った、
やらせの敵だったのか!!!!
モモ、そして、菊太郎は怒りがこみ上げてきた。
それにしても、悪の組織は、かつてのヒーローたちに、
ことごとくつぶされて、本当に弱体化したようである。
そして、かつてのヒーローは、引退して、
もうほとんどは、どこにいるのかわからないらしい…。
そして身近にいたとしても…正義を守った代償として、
体はズタボロだろう…。
え??ヒーローはいるじゃんって??
マ○レンジャーもいるし、
そのあとの、仮面ラ○ダー「○鬼」だって、
いるんじゃないかって??
毎週いつも見てるけどって??(見ているんかい。)
あれは、テレビのお話だから、ごっちゃにしないように。
(ぉぃぉぃぉぃっーーーー。)
話を元に戻そう。
モモそして、菊太郎は、
自分たちでこの敵…院長たちをやっつけなければ、
ならないと、強く思うのであった。
どれだけ、『アフター5』いい待遇してくれても、
やっぱ、全体的に考えれば、
許されない、行為なのだから。
が…当面は、院長たちの仲間のふりして、
第794代ショッカーと戦わなくてはいけないのだ。
いったいどうなる??
ここで、第794代ショッカーとは、
どんなものか話をしておこう。
もともと、悪の評議会と言う、
反政府の闇の団体があって、
ここが「悪の組織」と、ある組織を認定すれば、
援助金を出して、活動を助けるのだが、
それと同時に、
「悪の組織」と認定された、組織に対しては、
ヒーロー協会も「攻撃対象」とみなし、
結局はヒーローに滅ぼされてしまっていたので、
組織を立ち上げても、弱い組織だと、
援助金をもらっても、リスクが大きいのであった。
しかし、「正義のこころざし」をもつものがいる反面、
「悪のこころざし」をもつものがいて、
滅ぼされても、滅ぼされても懲りずに、
何かを夢見てだろうか??
やけくそなんだろうか??
次々と組織が生まれるのである。
その名前も、オリジナルがいる反面、
○代ショッカーとか、○代デストロンとか、
○代黒十字軍とか、○代しねしね団とか、
かつて強かった悪に、
あやかっている組織も多いのである。
なんと言っても、
ショッカーという名前は人気があるので、
今度の組織で第794代なのである。
しかし、実態はきわめて弱い。
次々と滅ぼされた組織はどれもたいしたことなくて、
ヒーローが全員引退したあとは、
「ヒーロー協会」も、
協会員だけじゃどうしようもなくて、
警察が相手をしていた。
だが、警察ですら、打ち合いたくないくらい、
「悪の組織」も、すっかり弱体化してしまい、
最後には、刑事事件にすらならないような、
ただ迷惑なだけの団体も多く、
第481代ショッカーなんかは、
失恋した、近所のお姉さんのストレス解消代わりに、
滅ぼされたのである。(情けないですねーー。)
というか、こうして考えてみると、
悪がたいしたことなくなったので、
ヒーローも生まれなかったのかもしれない。
そして、悪の評議会のメンバー自身も、
警察に捕まりたくないので、
目だたぬよう、目立たぬよう、
闇で活動していたので、
捕まったメンバーを助けたりなどと、
言う行為はなく、
そういうメンバーは、ただ切り捨てられるだけであった。
悪の評議会は、表立った活動はしない。
捕まるやつなどいない。
しかし、裏切り者だけは、牙をむくという、
うわさがあったのだが…、実態はそれこそ、闇である。
第794代ショッカーは、もともとは、
ぷーたろーが3人、
コンビニの駐車場の、車ストッパーの上で、
「おいらたち、ショッカーとでも、名乗っちゃおうか?」
と、言ったところを、たまたま買い物にきていた、
悪の評議会のメンバーが認めたのである。
「君達が、きちんと活動したときは、
資金援助してあげよう。」
「おっおっちゃん、のりがいいねぇ…いえーーい。
おれたちは、ショッカーだぜえ。」
…お酒も少し入っていたのかもしれない??
つーか、評議会は、
こういうやつらまで、「悪の組織」として、
認定しているんかい。
そりゃ、元祖ショッカーから、
30年という年月で、『第794代』なんて、
数字に到達するのも、
ありだよなー。
だいたい、第596代ショッカーなんていうのは、
幼稚園の、悪ガキ仲間が結成し、
同じ園の女の子をいろいろと、泣かせたあげく、
「好きだったから、いじめてたんだーい。」
と、すて台詞を残したあげく、
卒園と同時に。解散したという、
記録が残っているとかいないとか。
しかし、悪いことしようとする、
こころざしを持ったものに、支援しようという、
内規に照らし合わせて、幼稚園児だって、
「悪の組織」として、認定したらしいのだ。
もっとも、援助金は、内容に応じてだから、
たいしたことはなくて、
チョコレートやアイスクリームに消えたらしいのだが。
なんちゅー組織…いや、そういう者まで認定するとは、
なんちゅー評議会なんだ。
というか、そこまできたら、なんというか、
「悪いこと、する人に、金あげちゃおう。」
というだけの、ただの道楽だわな。
で…、第794代ショッカーも、
当然冗談で作った??組織なので、
活動などまるでしていなかったし、
ヒーロー協会や警察も、まったく無視していたのだが、
なぞの首領が現れてから、
この組織は久しぶりに??
骨のある団体となるのである。
「えーーと、第794代ショッカー…。
住所は??
セ○ン○レ○ン○○町5丁目店と、おっほっほ。
ここじゃここじゃ、悪の評議会から聞いてきた住所は。
おおったぶんあいつらじゃ…。おーい、そこの3人。
キミたちか。ショッカーというのは??」
「ん??なんだ??
禿頭のおっさん。おう。俺たちがたしかに、ショッカーだ。」
3人の一人が、尋ねてきた人に、
少し切れたような??からかうような??声で答えた。
「んだよ??俺たちになにかようなんかよーー。」
しかし、その人物は若者の脅し???
にまるで動じていなかった。
「そうかそうか。キミ達なんじゃな。
今から、すばらしい力を与えてあげよう。
ほっほっほっ。それーー。おとなしくするんじゃー。」
「わーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
その禿頭の謎の人物は、
麻酔銃を3人に放った。
3人はバタンと倒れて、
謎の人物の、親衛隊???らしき者たちによって、
どこかへ連れ去られた。
うーーん。
気がついたら、3人は、どこかの部屋にいて、
なんかとてつもない、
変な生物に改造されていた。
「おお、気がついたかのう。3人。」
部屋の真中に、鷲みたいなマークが飾ってあって、
マークの真中に、赤いランプがともって、
そこから声が聞こえていた。
「わーーーーなんだ。お前は。」
「おれだよ。マッキーだよ。という、お前はだれだよ。」
「サッキーだよ。って、
お前こそなんだよ。まるで怪人じゃん。」
「まあまあ。」
「おまえこそだれだよ。ゴキブリみたいなやつ。」
「何言ってるんだ。俺だよタッキーだよ。」
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
あわれ、3人はこれからどうなるのであろう。
さて、菊太郎…いや、
もうキーちゃんと呼んであげようか。
以降、特別なことがない限り、
そう呼ぶことにしてあげよう。
で…、キーちゃんたちは、次なる『特訓』が待っていた。
5人そろって、ポーズをつけて、
そして『変身』しなくてはいけないのだ。
「おれたちがヒーローだ。おれたちがヒーローだ…。」
男3人は、『特訓』の時間前の、7時ころになると、
目覚ましが、かかったかのように、
部屋から出てきて、いきなり回りだすのである。
おねぼうさんの、女2人にとって、
この声が、目覚ましになっているといっても、
過言じゃなかった。
ちなみに、『女の子たち』は、その音で起きてから、
『女の子の朝のしたく』を整えてから、
現れるのである。
男3人が、ぐるぐる回って1時間以上は、
ゆうにあるのだった。
ちなみに、『特訓』の時の服装は、
『レッド』『ブラック』『ブルー』の3人は、
今までどおり、センスのない青いジャージなのだが、
『ピンク』と『イエロー』は、
それぞれピンクと黄色のレオタードに、
レッグウォーマーという、ある意味悩ましい??
服装に今日から変わることになった。
キーちゃんのクレーム??に対して、
昨晩、大河原院長が持ってきたのが、
レオタードだったのだ。
モモもキーちゃんも、大河原院長に、
レオタード姿さらすことに、相当抵抗があった。
かといって、
運動するかわいい服=レオタード、
としか、大河原院長の頭にはないだろうし…。
洗脳されたふりするためには、
これ以上文句の言いようもなかった。
「まだ、センスのない赤いジャージが、
よかったかな…。」
モモは文句言ったことを、
ちっょぴり後悔するのだった…。
キーちゃんにいたっては…着替えたものの、
ただ、もじもじするばかり…。
自分で、こういうの着るなんて、
想像もつかなかっただろうから。
「おねーさま…。はずかしいよーーー。」
「もーーっ、キーちゃんったらーー。
かわいいわよ。そして、とーーっても、似合ってるわよ。」
「ほんとうに??」
モモは「もーーーう。かわいいんだから…。」
また、ぎゅっと…抱きしめた。
モモは、自分のレオタード姿は、確かに抵抗ある。
しかし…、まあ…、
キーちゃんのかわいい姿を見ることができた…。
これは、ある意味ハッピー??だったのかもしれない…。
モモは、ちょっぴり??うれしかった。
キーちゃんも…、ふくよかな、
モモの体が大好きだった…。
「おねーさま…。」
だーーーーっ。いつまでもやっとれ。
(ナレーターなげやり)
が…スイートな『夢』は、あっさり打ち砕かれた。
足音が聞こえてきたのである。
2人は、あわてて離れて、
横でぐるぐる回っている、3人の輪に加わった。
「回るのやめーーーー。」
いつものように、大河原院長の言葉で、
ぴたっと整列するのである。
「うんうん。にあっとるぞ。キーちゃん。
やっぱ、そのほうがはるかにいいわい。」
大河原院長がやってきた。
そして、キーちゃんにすりすりしはじめた。
モモの抱きしめに対して、
大河原院長からのすりすり感覚は、
天と地の差があった…。
おまけに…「ムッ…(わたしもいるのに…)。」という、
モモからの無意識な『嫉妬光線』は…、
依然として…、なんか怖かった。
そのうえ、「総統閣下…うれしいです…。」と、
お世辞も言わなくてはいけない…。
キーちゃん…災難ですねぇ…。
「さあ、それでは、『特訓』開始といこうかのぅ…。
ほっほっほっ。」
大河原院長の合図とともに、昨日の打ち合わせどおり、
みんなが、いっせいにぴょんぴょん飛び回った。
海○剛似の『レッド』
南光○郎似の『ブラック』
そして、後から加わった一文字○人似の『ブルー』ですら、
男3人は、洗脳がきちんと効いているので、
大河原院長の指示に対しての動きは完璧である。
しかし、モモ…如月○ニー似の『ピンク』
キーちゃん…ム○シ似の性転換戦士『イエロー』は、
洗脳が効いていないので、どうしてもうまくいかない。
「ほら、そこのとこ、手の位置が違うのう。
ポーズだけはきちんときめてもらわんとのう。
ここが、きちんと決まると、
ヒーロー協会からの査定も、高くなるというものじゃが。」
(そうなのか。そうだったんだ。)
くるっと空中前転して、
手をぱっと広げるのだが、
立ち位置とか、タイミングとかとても難しいのだ。
改造人間だけあって、空中前転は造作ないことである。
しかし、『レッド』と『ブラック』と『ブルー』に、
心がシンクロしていない、『ピンク』と『イエロー』は、
なかなかうまくあわないのだ。
「『ピンク』もキーちゃん…おっと、
『イエロー』は、うーーん、
ダメだのう。どうしてかのう。
もしかしたら、洗脳が効いとらんのかのう。
もう一度洗脳が必要かのう…。」
キーちゃんはギクッとした。
女性化が進んできたとはいえ、
まだまだ心は男である。
耳栓を用意できるとは限らないのだ。
こんどこそ洗脳されるに違いない。
キーちゃんは、目をうるうるさせて、
キャピキャピした声で、
大河原院長にすりすりしていった。
「『総統閣下』、
わたしーーあの装置、
きらいなのーー。
一生懸命がんばるからーーーー、
ゆるしてーーー。」
おいおい。女の子の『武器』を、
十分に使っているのだった。
「しょうがないのーーー。まっかわいいから許すかのう。
がんばるんじゃよ。」
その横では、モモが無意識に『嫉妬光線』を、
やはり…なげかけていた…。
「あと戦うシーンは、形だけでいいからな。
相手、第794代ショッカーは、
実はわしが『経営』しとるんじゃから、
本当、形だけの敵なんじゃからな。
だけど、ポーズだけは決めておくれ。
あれが決まったときのヒーロー査定は、
10ポイントプラスなんじゃから。」
大河原院長は、少しは疑いつつも、
5人とも洗脳が効いていると思っているので、
敵の第794代ショッカーも、
自分が『経営』していることを、
ペラペラと話す始末。
そうなのだ。敵の謎の首領も、この大河原院長なのだ。
って、みんな知っとるわな。
「ヒーロー協会と、悪の評議会と、
両方から援助金をもらうシステムを考え付いたわしは、
天才じゃな。
なんといっても、第794代ショッカーは、
久しぶりに、改造人間までにしてやった、
見た目は…いや、
それなりに強い本格的な敵なんじゃから。
悪の評議会からの査定は、
ものすごいもんじゃったわい。
おっほっほっほっほっ。」
からくりが、ばればれである。
『ピンク』こと、モモは、
怒りがこみ上げてきた。
しかし、ここはじっくりとチャンスを待たなければ。
あせっては負けだと、自分に言い聞かせて、
ばかばかしいポーズに、付き合うのだった。
さて、それでも『特訓』の成果があって、
ポーズはきちんと決まってきた。
次はいよいよ『変身』である。
「うむうむ。いい状況じゃ。変身は、
5人そろってぐるぐると周り、
スピードが上がると、変身できるのじゃ。
光がマックスになったとき、
『特訓』のポーズをとるのじゃ。」
そっそうだったのか。もうすでに改造されたときに、
変身のタネは埋め込まれていたのだった。
「おれたちがヒーローだ。おれたちがヒーローだ…。」
そういいながら、5人はグルグル回りだした。
今までは、ただ、だらだらと回転していただけだった。
しかし、そのスピードをどんどん上げていくと、
今までなかった光が輝き始めたのだ。
光の竜巻がぐるぐる回りだし、
そして、ピークが訪れた。
「今じゃーーー。」
そして、『特訓』のポーズである。
すると、5レン○ャーからの流れの、
あの5つのカラーの戦闘服に、
フェイスマスクが装着されているのであった。
「5人そろってぇぇぇぇぇぇぇ…。」
『レッド』が勝手に雄たけびをあげる。
しまった。モモとキーちゃんはあせった。
チームの名前を知らないのだった。
あーー。洗脳されていないことがばれる。
あせる。どうしよう。
そう思った瞬間…、
『レッド』がかたまった。
「すまんすまん。チームの名前決めてなかったのう。」
禿頭の大河原院長が、毛のない頭をぽりぽりとかいた。
「5人そろって、ゴレ○ジャーじゃ、ぱくりじゃからのう…。
うーーーん。この件は考えておこう。
今日は解散じゃ…。」
大河原院長は、考え込んで去ってしまった。
『ピンク』と『イエロー』は互いの顔を見合わせた。
ほっとしたのが最初で、
互いの変身した姿を見て思わず、
「だっさーーー。」
と叫んでしまった。
あっしまった…と思ったが、
大河原院長たちはすでにいなかった。
変身は時期自然と解けて、いつもの顔に戻った。
…つづく…